關原紫光 SEKIHARA SHIKO|關原紫水 SEKIHARA SHISUI

Profile

作家紹介

京人形師 關原紫光
(せきはら・しこう)

京人形師 關原紫光

先代の創った亰人形は、歌舞伎の舞姿など美しい女性の姿を人形に写し、「まるで生きている様だ」と多くの方々に手にしていただいてまいりました。
父をはじめ、古くから伝えられた文献や作品、直接のご指導のもとに偉大な先人達の技を学んで参りました。
その上で、無の状態から意識の中に降りてきたイメージによって私の人形は生まれます。
多くのご縁に導かれ、ふと心に光が降り、それはやがて言葉となり、はっきりとした姿となって意識の中に現れます。ただ、その姿を形にすることは容易ではなく苦悩と失敗を繰り返す日々が何ヶ月も続く中で、想い描いた形へと道が開かれます。人形の完成に至る最後の瞬間には、光に導かれ手が勝手に動いて人形が出来ていくような至福の時に包まれます。人形を創ることは天命。
關原人形を手にした方々が人々の祈りとともに幸せになってくださることを願いながら、これからも人形を創らせていただきます。

關原人形について

關原紫光は、皆様の心を和ませ、幸せになられることを祈りながら人形を創ってまいりました。
人形は、「染色、金彩、友禅、刺繍、絞り、彫り、細工、彫金、べっ甲、漆、木材加工、扇子、髪結い等々」京都のあらゆる伝統工芸の技が詰まっています。
また、着物の形や柄、重ね方など一つひとつに数千年積重ねられた伝統の意味があり、工芸の技術と、伝統からくる心の美が合わさり、人形が生まれます。
人形の究極の美(神の姿を写した姿)を追求し、独自の技法を完成させるため、京都の伝統工芸を学び、熟練の職人技を長い年月をかけて、様々な工程に取り入れて工夫し、独自の髪結や衣裳製作による “關原京人形”が誕生しました。
先人達への感謝、それこそが心と技を受け継ぎ、次世代に伝えることであると感じる日々。素晴らしい京都の職人技を芸術として高め、世界に日本の伝統文化をお伝えする一翼になりたいと願っています。

1993年 父、關原紫水の後継者として京都府の
「京もの工芸品の技術後継者」に認定される
1995年 女性初の京人形商工業協同組合青年会会長に就任
1996年 京都青年中央会理事に就任
1998年 伝統工芸士の認定を受ける
1999年 石清水八幡宮展示会など關原紫水と共に展示会を開催
2004年 「NHKドラマ「恋する京都」制作指導、出演
2007年 紫光作「京羽子板」京都府の海外贈呈品に選ばれる
2009年 3月パリ・ル・グランホテルでの展示会に出品
7月オーストリア・ザルツブルク博物館展示会に出品
2010年 1月パリ三越エトワール展示会に出品
2月イタリア・ジェノバ・ドゥカーレ宮殿展示会に出品
2011年 1月パリ三越エトワール展示会2回目の出品
2月横浜人形の家「關原紫水&紫光 京人形展」開催
2012年 上海芸術礼品博物館「日中韓著名芸術家作品展」に紫光作「雪」出品。開幕式典に来賓として招待される
2013年 紫織庵(京都市指定有形文化財)で紫光単独の個展開催
2015年 米国ケースウエスタンリザーブ大学で稲盛財団支援の稲盛倫理賞の副賞に紫光作「祝賀」が採用される
2016年 国宝・石清水八幡宮へ「応神天皇」「神功皇后」を奉納
ダライ・ラマ法王と大谷暢順台下に「童観音」を献上
稲盛財団・京都賞の副賞に「祝賀」が採用される
2017年 国宝・石清水八幡宮清峯殿にて關原人形展20周年記念の關原紫光-慈しみの「愛くるみ」展を開催

京人形師 關原紫水
(せきはら・しすい)

京人形師 關原紫水

私の人形を見た方から「關原さんの人形はまるで生きているようだ」と言っていただくことがあります。私は衣装を着せた女性の人形を主に作っておりますので、ただ美しいだけでなく、女性の情感を見る人に訴えるような人形を作りたいといつも願っております。ですから「生きているようだ」と言っていただくと実にうれしく、有難く思います。
テレビで「舞踊に見る女性の愛のしぐさ」という番組が放映されました。その中で特に心に残っている言葉があります。上方舞の名手山村楽正さんがこう言っておられました。「舞で女の情を表現する時。胸を動かさずに、おちちを動かす」と。これを聞いて、そういうはっきり表に表れないような細かい体の動かし方を工夫しておられるからこそ、地唄舞の内に込められた女の情念というか恋慕や愛憎の入り混じった複雑な女心が見る人の心を打つのだと、私はとても感心いたしました。
また、文楽の吉田蓑助さんが、「女の人形におじぎをさす時は、首と同時に肩を動かすと色気が出る」と言っておられるのを聞いて、これもなるほどなあと思いました。私は着物を着た日本女性の美しさを人形で表現したいと思い、日本舞踊や文楽なども出来るだけ見るようにしております。一流の方々の舞踊を拝見していますと、頭首手足はもちろんのこと、胸も胴も腰も、肉体のあらゆる部分すべてが一体となって動き、その体全体で表現されるなめらかな何とも言えない美しい動きが見る者に感動を与えるように思えるのです。
人形も同じことで、頭手足だけでなく体全体で動いているように作らなければ、決して生きているようには見えないと思います。
どうしたらそのように出来るのかといつも考え続け、苦心しているところです。私の作る人形を見れば心が和み、悩む心も慰められるような人形を作りたいと願いながら精進して参ります。

1921年 神戸市葺合区に生まれる。
1949年 京都へ移住。幼少より念願であった人形制作を始める
1973年~ 伝統工芸技術コンクール毎回入選(優勝2回、佳賞4回受賞)
1986年 伝統産業優秀技術者として京都府知事表彰を受ける。
1989年 伝統工芸士の認定を受ける。
1990年 京人形伝統工芸士会が結成され、初代会長に就任する。
1991年 近畿通商産業局長賞を受ける
1992年 個展(大阪・大丸梅田店美術画廊)
1993年 個展(広島・福屋八丁堀本店美術画廊)
1995年 「京都伝統工芸展」出品(オーストラリア)
国立京都国際会館にて実演と展示会開催
1996年 個展(ホテルフジタ京都)
1997年 石清水八幡宮清峯殿にて展示会開催(毎年12月初旬より翌年2月末日迄)
1998年 人形作家11 人と共に「京舞妓人形展」(大丸心斎橋店、新宿 三越、千葉三越)
2000年 個展(東京・京王プラザホテルギャラリー)
2004年 春の叙勲にて瑞宝単光章受賞
2005年 「和人形の世界展」出品(日本橋三越本店)
2006年 「琳派百図展」出品
2007年 「輝ける京の伝統工芸展」出品(高島屋日本橋店)
2008年 作品集出版記念展(高島屋京都店)
2009年 1月 タイ王室に人形献上
3月 パリ展示会出品
7月 オーストリア・ザルツブルグ博物館人形展に出品
2010年 1月 パリ三越エトワール展示会出品
2月 イタリア・ドゥカーレ宮殿展示会に出品
6月 上海図書館開館に「關原紫水・京人形作品集」が収蔵
12月 上海市・呉昌碩記念館に關原作京人形「熊野」が収蔵
2011年 1月 パリ三越エトワール最終展示会に出品
2月 横浜人形の家にて「關原紫水&紫光 京人形展」開催