作品紹介
關原紫水作品
紀州道成寺
「何々道成寺」という舞踊は沢山あり、その中で最も有名なのは、「京鹿子娘道成寺」です。併しこの曲では、女形の芸づくしとも言われ、その時代のはやり唄とか、手踊りなどをつけ加えて派手な振付になっています。従って物語の筋はあまりよく分らない様になって居ります。
安珍、清姫の筋を通し、能に近い形式になっているのが、この紀州道成寺だという事です。それで、娘道成寺のけんらんたる華麗さとは違った重厚にして典雅な振付になっているとの事です。能の道成寺では、乱拍子でシテと小鼓との息詰まる様な応酬がありますが、舞踊ではそれはごく簡単に済まして直ぐ急の舞に移る様です。そこの所を人形にしてみたいと思って作りました。